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アートが好きでごめんなさい

美術館巡り、アート、旅行、ときどきお祭り。気づいたら、いつもアートがそばにいた。

埼玉の地下に眠る地下神殿「首都圏外郭放水路」の見学に行ってきたので詳しく書いてみる

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調圧水槽

工場見学 社会科見学 首都圏 (国内 | 観光 旅行 ガイドブック)

工場見学 社会科見学 首都圏 (国内 | 観光 旅行 ガイドブック)

 

以前、こちらの雑誌(2011年2月発行)に載っていて興味を持ち、その後、テレビや他の雑誌等でも特集されるようになった「首都圏外郭放水路」
ついに昨日行ってきました!

見学には予約が必要。どのように予約したか

事前にインターネットか電話での申し込みが必要です。
受付は28日前(4週間前)からなので余裕をもって計画できますね。


ただし、見学日は平日の火曜日から金曜日までなので注意!
私は、10日くらい前にインターネットで申し込みましたが、その時点ですでに空きがかなり少なかったです。


1日3回、見学の枠がありますが個人での見学は1枠25人までなので、すぐに予約が埋まってしまうようです。


夏休み期間は、1日4回の見学会が実施されており、そのうち3回は子供向けの見学会として実施されているので夏休みの自由研究にもオススメかも。

以下のサイトの注意事項に同意後、「申込をはじめる」をクリック
「残り◯人」と表示されている箇所が予約可能な日です。

希望日を選択して必要事項を入力して申込内容確認後、申し込みするだけ、「予約完了のお知らせ」のメールが来るので内容をよく確認しましょう。

www.ktr.mlit.go.jp

当日は、予約した見学時間の15分前までに集合する必要があります
集合場所は龍Q館2階の展示室です。

ナビの設定はマップコードが便利!

途中、道に迷ったりなんかして遅刻するわけにはいかないので、もちろんナビに頼ります。しかし、「りゅうきゅうかん」をナビで検索したところ、該当施設がヒットしませんでした。。。


ここで、龍Q館のマップコードがあったことを思い出し、昨年の大地の芸術祭で大活躍したマップコードを活用しました。


さっそく龍Q館のマップコード「3 892 263*11」を設定。すると、見事「地底探検ミュージアム 龍Q館」までのルート案内を表示してくれました。


ばっちり時間までに到着することができました!
本当、便利な時代になったものです

龍Q館

メインの地下神殿以外にも色々見るものあります

まず、施設の庭にあるシールドマシンのヘッド部分の展示
その迫力に圧倒されます。

シールドマシンのカッターヘッド


龍Q館は、1階/中2階/2階からなる施設

龍Q館案内

1階
1階はこんな感じ

中2階には、こんな展示物がありました。

化石
<調圧水槽を掘ったときに出土した化石>
中には既に絶滅した貝の化石なども含まれているらしい

 

シールドマシンの模型
<シールドマシンの縮小模型>
首都圏外郭放水路のトンネルを掘り進んだシールドマシンの縮小模型は、動かしたりすることが可能。かなり精巧な作り

 

ちなみに、階段の中心部分には地層タワーなるものがあります。
こいつを見ながら2階まで登ります。

地層タワー

地層タワー<地層タワー>
調圧水槽という施設を掘削した際に、特殊なコーティングを使ってはぎ取ったものらしい。
なんと、関東の地面をこれほど深く掘ったことはないらしく、学術的にも大変貴重なものなんですって。


そんなこんなで2階に到着すると、まず気がつくのがこのサインの数々・・・

廊下のサイン

廊下のサイン

廊下のサイン

廊下のサイン
廊下に沢山のサインが飾ってあるんです。
というのも、ここの施設は、度々ドラマやCM等のロケ地として使用されることがあるそうです。

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首都圏外郭放水路のさまざまな施設をコントロールするこちらの操作室も「ウルトラマン・コスモス」の司令室として使われた模様

そういうこともあって、2階の廊下には色んな方のサインが飾ってあるみたいです。
早めに到着しちゃった場合は、誰のサインがあるのかゆっくり見ていくのもいいかもしれませんね。

やっと!集合場所に到着

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何気に見るところが多くて集合場所まで少々時間がかかってしまいました。
2階の展示室に到着したら、受付で名前を言って、提出用書類等を受け取ります。見学は無料です

提出用書類等
注意事項確認後、書類に必要事項を記入して受付に提出しましょう。

見学会参加証
書類提出と引き換えに見学会参加証がもらえます。これを首から下げます。
ちなみにこちらポストカードになっているので、帰りにケースから出して持ち帰ることができます。

さて、ここからは、係の方に教えてもらったことを事細かく書いていきます

展示室の床面に衛星写真が貼ってある場所に集合がかかり、係りの方の説明が始まりました。

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お姉さんがレーザーポインター等を使い、丁寧に解説してくれます。
腰に付けている拡声器のおかげで、説明も聞き取りやすい

 

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映像による解説もあります。みなさん興味津々です!

そもそも首都圏外郭放水路って何?

首都圏外郭放水路のメカニズム
首都圏外郭放水路は、町を洪水から守るため春日部市から庄和町までの国道16号線の下に造られた地下トンネル形式の施設で、大きく以下の3つの施設に分けることができます

1.水を取り込む立坑

立坑は第1立坑〜第5立坑と名前がついていて、第1立坑は川とは繋がっていませんが、他の4本の立坑から合計5つの川の水を取り込みます。


第3立坑では中川と倉松川、2つの川の水を一緒に取り込める仕組みになっています。
大きい立坑だと直径が30メートル、深さが70メートルあります。これはなんと、スペースシャトルや自由の女神がスッポリと入ってしまう大きさ。

2.水を流していくトンネル

取り込んだ水を江戸川へと流すための通り道となっているトンネルの大きさは直径が10メートルで深さ50メートルのところで立坑と立坑を結んでいます。


国道16号の下には全長6.3キロメートルのトンネルがあり、立坑より取り込まれた水は、このトンネルを通って排水機場にある調圧水槽という施設に流れ込みます。そして、この施設こそが「地下神殿」と呼ばれている施設なのです。

3.水を江戸川へと排水する排水機場

調圧水槽という施設は5つの川からの水をスムーズに排水するための施設で、東京ドームのグラウンドと同じくらいの大きさ。
排水機場ではこの調圧水槽に流れ込んだ水を巨大ポンプ4台を使って地下から地上に押し上げて江戸川へと排水しています


またこの施設はポンプを使わない時は、貯める施設として約67万立方メートル、サンシャイン60ビル一杯分もの水を貯水する機能もあります。
首都圏外郭放水路は貯めるだけではなく、流す施設としてさらに多くの水を取り込み、ポンプを江戸川へと水を流していきます。

工事期間は実に13年もかかったそうです!

工事開始の平成5年3月から13年の歳月を経て、平成18年6月に完成しました。
第3立坑から排水機場までの3.3キロメートルの区間は先に完成しており、なるべく早く効果を発揮するため、平成14年6月から暫定的に稼働が始まったそうです

稼働回数は90回超!今までで一番多く排水したのはいつ?

これまで施設は91回稼働しているとのことなので、年間平均で言うと7回程度の稼働ということになります。
今までで一番多くこの施設に水が入ったのは、2014年の9月、そのときは1350万立法メートル、東京ドーム11杯分の水を江戸川へと排水し、町を洪水から守ったのです


今年度はスタートしたばかりなので、まだ施設は稼働していませんが、昨年度は6回稼働したそうです。去年10月の台風19号のときがその6回目の稼働でした。

首都圏外郭放水路の総工費は2300億円!

大変大規模な予算を投じて建設された首都圏外郭放水路ですが、放水路の稼働が始まってからこれまでに、浸水家屋数、浸水面積の大幅な減少といった確実な効果をあげています。

模型を使った説明がわかりやすい

どのように水を取り込み、江戸川へ排水するのかは模型で見ることができますが、この模型、実際に中に水が入って動くという本格的なもの

首都圏外郭放水路縮小模型
ビデオの音声の合間にも、お姉さんが詳しく補足説明してくれるので大変わかりやすい!


流入量の多い第3立坑と第5立坑では過流式のドロップシャフトが採用されています

ドロップシャフト
これは、水を垂直に取り込むと立坑の底を傷つけてしまうためで、入り口を斜めに作り、壁に沿って落としていくことで衝撃を和らげているそう
取り込まれた水は、まず立坑に貯まり、トンネルが一杯になると5本の立坑が同時に水位を上げて調圧水槽へと流れ込むのです

 

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調圧水槽に流れ込んだ水を江戸川へと排水するポンプですが、
なんと、航空機用のガスタービンを用いたエンジンで運転されており、ポンプ1台で1秒間に50立法メートルの水を排水することができるそうです。


この施設には4台のポンプがあるので最大1秒間に200立法メートル排水できることになりますが、200立法メートルというのは25メートルプールにあたるため、4台同時に動かすと25メートルプールの水を1秒で空にすることができるという変態ぶり。

洪水のあと、立坑やトンネル内に残った水は第3立坑内にある別のポンプで外の川へと戻します。残った水をそのままにすると、水が悪くなり、次の洪水のときに江戸川に流してしまうと水質汚染に繋がるからです。

江戸川は飲水にもなっている川なので、江戸川の水を悪くしないようにするためと、次の洪水に備えてより多くの水を取り込むために、素早く元の川へと水を戻していきます。

いざ!地下神殿へ!

見学用に造られた施設ではないため、エレベータはなく、地下への階段116段を登り降りしなくてはなりません。
途中で引き返すことができないため、階段の往復が難しいという方は展示室でお留守番ということになります・・・
今回はお留守番の方はいらっしゃいませんでした。まぁそうですよね、みなさん地下神殿を見に来たんですから!

 

出発!
龍Q館のエントランスで準備運動をしたあと、外から向かいます。

 

地下神殿真上のグラウンド
このグラウンドの真下に、地下神殿こと調圧水槽があります
奥に見える建物は龍Q館

ここが地下神殿への入り口!

f地下神殿入口
この入り口を入って116段の階段を降りていきますが、下に着くまで、階段での写真撮影は禁止です。途中で立ち止まることや引き返すこともできません。
階段を降りるとすぐに地下神殿が見えてきて、何気にそこから見る光景がとても神秘的で最高なのですが、撮影できないので少々残念!

そしてついに地下神殿に足を踏み入れたのです!

地下神殿

地下神殿

地下神殿
これはアートですか?大迫力にただただ圧倒・・・
凄すぎて逆に声が出ないくらい。
この柱の多さ故、地下神殿と言われ取材やロケにも多く使われているのですね!
この日の地下の気温は10℃、コートを持ってきて良かったです。

 

第1立坑
こちらに見えるのは第1立坑。実はこれ約1/3しか見えていません。この下にまだ50メートル程の深さがあって、一番下のところで他の立坑とトンネルで繋がっています。
水は、他の4本の立坑からトンネルを伝って、この第1立坑に入ってきます。水位がだんだん上がってくると、今いるこの調圧水槽に水が流れ込みます。


調圧水槽の水位もあがってくると、一番奥の上半分が白くなっているところ

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ちょっとわかりにくいかもしれませんが、壁になっていて、その向こうにポンプが設置されています。
水は壁の下をくぐるようにしてポンプに吸い込まれ、押し上げられて江戸川へと排水されていきます


柱に2つの看板のようなものがあります。
上には「定常運転水位」、下に「ポンプ停止水位」と書かれています。

「定常運転水位」と「ポンプ停止水位」
「定常運転水位」よりも上に行かないように4台のポンプ運転を調整しながら江戸川に排水していくそうです。
「ポンプ停止水位」は、奥にある排水ポンプの羽車と同じ高さになるので、これを下回るとポンプが空回りをしてしまい江戸川への排水はできないため、この水位以下の残った水は、第3立坑にある別のポンプで元の川へと戻していきます

ちなみに、「定常運転水位」まで水が来たことはこれまでにも何度もあり、降りてきた階段も半分くらいは水に浸かってしまうくらいだったそうです。。

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どれだけ広いの?

調圧水槽の広さは、幅78メートル、奥行き177メートル、高さは天井まで18メートル

調圧水槽真上のグラウンド
この真下にいます!

なんでこんなに広いのか?

この広さには意味があって、ポンプをスムーズに動かすために必要な水深と水量を確保するための役割があります。
また、万が一ポンプが緊急停止した場合、順調に流れていた水が行き場を失い逆流してしまいます。このとき津波のような現象を起こすらしいのですが、その水圧を調整する役割もあるそうです。

 

柱
柱は幅2メートル、長さ7メートル、高さ18メートル。1本の重さは500トン、全部で59本あります。

重い柱が沢山あるのもちゃんと理由があるのです

地下にこのような広い空間を作ると、周りには地下水があるので地下水による浮力で調圧水槽が浮き上がってしまわないよう、柱が重りの役割をはたしているというわけなんです。

土砂が流れてくるわりには、ずいぶんと綺麗ですね

川の水が流れてくるので、もちろん土砂も一緒に流れ込んできます。
年間7回程度の稼働で、土砂は2,3センチ溜まりますが、見学スペースだけは川の水を抜いた後に毎回人の手で掃除をしているそうです

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だから床もこんなに綺麗!

 

見学スペース以外はと言うと、年に1回雨の少ない冬の時期にブルドーザーを使って掃除が行われるそうです
11月にその掃除が行われ、その後ここには水が入っていないため奥まで土砂のない状態を見ることができました!

掃除のブルドーザーはどこから入ってくるのか

頭上に光の漏れているところがあり、そこの蓋を開けてクレーンでブルドーザーを下まで降ろすそうです

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あそこですね!

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外から見るとこの部分

 

車止め
第1立坑側にはこのような小さな石のようなものが並んでいます。
これはブルドーザーが奥の第1立坑内に落ちてしまわないようにするための車止め
集めた土砂は再びクレーンで地上にあげて江戸川の堤防の材料として再利用するんだそうです。素晴らしい!

 

見学範囲
見学範囲は、この車止めのところまで。反対側もロープが張られているとこまでです
見学時間は約10分間。あっと言う間でした。

 

見学が終わると、再び龍Q館2階の展示室へ戻ります。
116段の階段を登るのですが、年配の方は少々大変そうでした。

 

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受付で、見学会参加証のケースだけ返却して中身のポストカードは記念に持って帰りましょう
返却した際、アンケート用紙をもらうので、記入します。

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これにて首都圏外郭放水路の見学会終了です。
模型等を使った詳しい解説で施設の役割をしっかり学ぶことができました。


今回は大人向けの見学会でした。お子さんを連れている方もいましたが、子供でも十分に分かる内容だったと思います。
我々の生活を守ってくれている素晴らしい施設を見学することができて大変満足しました!

 

HAJIME/森田高正
<HAJIME/森田高正>

龍Q館の外には冒頭で紹介したシールドマシンのカッターなどが展示されていますが、このようなオブジェも展示されていました。

連/加藤
<連/加藤徹>

 

コロちゃん
<コロちゃん>
小さい頃「コロコロ」してたのでコロちゃんと命名されたそうです。
このように龍Q館周辺は、犬の散歩コースにもなっているようです。

 

春日部市コミュニティバス
春日部市コミュニティバス「春バス」が運行しており、龍Q館前に停留所があります。

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春日部市/市コミュニティバス「春バス」


そしてこのあと、春日部市内で食べ歩きなどしたのですが
その話はまたのちほど・・・

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!