アートが好きでごめんなさい

芸術祭、美術館、旅行、ときどきお祭り。気づいたらいつもアートがそばにいた。

【中之条ビエンナーレ2017③】「日本で最も美しい村連合」に加盟する「伊参エリア」


【中之条ビエンナーレ2017①】中之条町の玄関口「中之条伊勢町エリア」
【中之条ビエンナーレ2017②】新会場として追加された「名久田エリア」
【中之条ビエンナーレ2017③】「日本で最も美しい村連合」に加盟する「伊参エリア」
【中之条ビエンナーレ2017④】ゆったりとした時間が流れる自然豊かな「六合(くに)エリア」
【中之条ビエンナーレ2017⑤】中之条伊勢町と六合を繋ぐ中継地点「沢渡暮坂エリア」
【中之条ビエンナーレ2017⑥】古くから湯治場として親しまれている温泉街「四万温泉エリア」

目次

岩本キクジ家

岩本キクジ家

「土と太陽の記録」/飯沢 康輔

「土と太陽の記録」/飯沢 康輔

80歳以上のおじいさんとおばあさんがモデルになっています

無数のシワはこの土地を記録している
▲たぶん鉛筆で書かれているんだと思いますがディテールがすごい。遠慮なく書かれた無数のシワには、この土地で過ごした日々の記録が刻まれているのでしょう

「蒟蒻芋太郎」
▲キクジ家の前にこんなものが。

飯沢さんは蒟蒻栽培業に従事しながら中之条を中心に活動されている作家さんですが、群馬特産コンニャクを全国に広めようと蒟蒻芋太郎として六本木アートナイトにも出没した模様です。まさか中之条で「六本木アートナイト」の文字を見るとは思ってもみませんでした。

artdeotera.wixsite.com

伊参スタジオ

伊参スタジオ
▲群馬県人口200万人突破記念として1996年度に制作された映画「眠る男」の撮影拠点となったことをきっかけに旧第四小学校を改装し誕生した伊参スタジオ

ジェット二宮金次郎
▲ここへ来たらとりあえず「ジェット二宮金次郎(2013作品)」を確認するのが我が家の決まりとなっています

「Shadow of lives-2017」/浅見 俊哉

「Shadow of lives-2017」/浅見 俊哉

中之条町から出土した土器や養蚕の道具、ここに暮らす子供達の大切なものなどが影となっていました。浅見さんは、感光面に映像が焼き付く写真の原理を利用し、このようにカメラを用いずに写真を撮る方法で表現活動をしているそうです。

廊下
▲影の素材として使われたものたちでしょうか。人間の生活の痕跡が、せまい廊下に広がっていました。

「この音の聴こえないどこか遠くへ」/渡辺 俊介

「この音の聴こえないどこか遠くへ」/渡辺 俊介

体育館の中にオルガンが並べられていました。
中之条町は17時になると「故郷」のチャイムが鳴るそうです。作者はその山々に反響しながら届いた音をこの伊参スタジオで聴いたそうです。

町内の廃校を回って集めたオルガン
▲町内の廃校を回って集めたというオルガン。「ふいご」という空気を送り込む装置が自動で動くようになっていて、一つ一つのオルガンから奥に見える山に向かって音色を届けていました。17時のチャイムが鳴りすべての音が合わさったとき、ここではどんな音が聞こえたのでしょうか

「つながりあう世界」/嶋津 晴美

「つながりあう世界」/嶋津 晴美

1階奥の階段下、見逃してしまいそうな場所にも作品がありました。

結晶①

アンモニウムの一種で溶液を作り、ミョウバンをタネとして結晶を育てたそうです。
育成する際は、天候、温度や振動などのちょっとした条件の違いによって多様な結晶ができるといいます。

結晶②
▲結晶だけに限らず、私達人間も誰かや何かと関わり合いながら様々な多様性を持って生きているということを再確認させられます

「Amber memories」/石原 次郎

「Amber memories」/石原 次郎

▲カメラによって3次元から2次元に変換された写真を、再び3次元に戻す試み。次元の行き来が体験でき、不思議な感覚を味わえます。

「フィグメント」/藤原 京子

「フィグメント」/藤原 京子

▲割れたガラスの階段(鍵盤)が、静謐の音階を奏でているようです

「教室/1988」/村上 郁

「教室/1988」/村上 郁

▲単位を学ぶ教材をモチーフにしたものを組み合わせて、独自の単位で教室内を測定しています

「網」/遠藤 研二

「網」/遠藤 研二

▲教室内をニョキニョキと這う生き物は、今はもう居なくなってしまった教室の子供達を探しているようでした

「景色の記録」/鳥越 義弘

「景色の記録」/鳥越 義弘

風景や大地、植物、人などの肖像を描画する。
場所にのまれ入り込みながら、変化を体感し、断片的に記録している。

複雑な色が絡み合っている
▲色んな色が混ざり合った一筆の中に少しだけ壮大な世界が見えた気がしました

「Newspaper collage series」/ユアサエボシ

「Newspaper collage series」/ユアサエボシ

▲名久田教場で進駐軍の似顔絵が書かれた瓦を展示していた戦前生まれの架空の三流画家『ユアサエボシ』とここで再会。日本の新聞を使ったコラージュシリーズを見てあれがウソだったと何となく気がついたのでした

「空に響く」/山口 信哉

「空に響く」/山口 信哉

「倍音のへそ」/山口信哉

「倍音のへそ」/山口信哉

様々な形と材質によって音の波動が作られ、私達は絶えずそれらを聞き、体で感じている。その波動は深く体内に記憶され、積み重なり、私たちの意識と体に大きく影響している。美しく調和された波動はきっと広い宇宙の記憶と同期しているのだろう。そんな世界を表現したい。

JAあがつま倉庫

「シノニム」/升谷 絵里香

「シノニム」/升谷 絵里香

「空のバスを待つバス停」/リン・チャウェン

「空のバスを待つバス停」/リン・チャウェン

▲JAあがつま倉庫のすぐ横にあった作品。何年も前に路線バスが廃止になったにも関わらず、このようにバス停が残っている場所があります。
端折ってしまいましたが、地元の人から集めた路線バスに関する資料を旧廣盛酒造で展示していたリンさん。利用者の思い出や些細な出来事を思い出すきっかけになってほしいと考えたそうです。

伊参集会所

「Arbor-essence」/アルチュール・バーブ+イイヌマ・ヨウコ

「Arbor-essence」/アルチュール・バーブ+イイヌマ・ヨウコ

過去の住人か

この建物は自然か、それとも人間に属するのか

芝生風のサンダル
▲この建物が自然へと還りつつある現状を、芝生風のサンダルは気づかせてくれます

イサマムラ

イサマムラ(伊参小学校)
▲平成25年に廃校となった伊参小学校は、2017年4月より「イサマムラ」として生まれ変わりました

「段ボールにはナミナミがあります」/LUNA..CLIP..

「段ボールにはナミナミがあります」/LUNA..CLIP..

亀
▲段ボールの断面のナミナミを使ったカメやカバ、ゾウなどといった作品が並んでいました。小さな段ボールのピースを数ミリずつずらして作ったそうです

「中之条の光と影」/今井 尋也

「中之条の光と影」/今井 尋也

光と影が語りかけるこの土地特有の物語は、能楽の世界観そのものだと作者はいいます

反射板
▲窓の外には、このインスタレーションに照射する太陽光をコントロールするシステムが設置してありました。

「スクラップアンドビルド」/永井 文仁

「スクラップアンドビルド」/永井 文仁

新国立競技場
▲建物の耐震性能や時代の変化に適応するため日本でも様々な建物が建替えられています。「古い建物は建て替えればいい」。それは一見正しい事のように思えますが、スクラップアンドビルドのメリット・デメリットは何か?そんなことを考えさせられる作品です。

「言語、イメージ、物」/田島 鉄也

「言語、イメージ、物」/田島 鉄也

言語、イメージ、物の間のエネルギーを示す

言葉のエネルギー
▲壁いっぱいに文字を書き出した人のエネルギーが一番すごいと思います。

「Swings」/三好 由起

「Swings」/三好 由起

▲放送室だった部屋に入ると、金属音のザワザワが聞こえてきました。あとから知りましたが、マイクによって集音された音が隣の部屋で聞こえる仕掛けになっていたんですね。

「STRIPPER」/西岳 拡貴

「STRIPPER」/西岳 拡貴

イサマムラ(旧伊参小学校)の裏手の壁にある作品

剥ぎ取られた壁

▲この作品はイサマムラ以外にも、生き物などのステンシルを使って中之条町内に15ヶ所ほどタグ付けがされていたようです。もう一度確認しに行きたい。。。

「FRP FABRIC SPHERE」/岩城和哉+東京電機大学岩城研究室

「FRP FABRIC SPHERE」/岩城和哉+東京電機大学岩城研究室

▲農業用のFRP線材を編んで作られた球体に取り付けられた鏡には周囲の風景が写し込まれていました

道の駅「霊山たけやま」

道の駅「霊山たけやま」
▲古くから霊山として中之条各地から信仰を集めていた嵩山の麓に道の駅「霊山たけやま」があります。そのすぐ隣、親都(ちかと)神社に作品が展示されていました

「無何有の祭り」/浅野 暢晴

「無何有の祭り」/浅野 暢晴

この作品は、twitterのとある投稿によって瞬く間に知れ渡ることになりました

この投稿が2万5000回以上もリツイートされ話題となり、ついには作者本人がリプするという展開に

トリックスター
▲そんな騒ぎになっているとも知らず、のんびりとそこに佇む「こいつ」にちょっと愛らしさを感じました

旧五反田小学校

旧五反田小学校
▲明治42年に五反田の村中の力を結集して建てられた五反田小学校は、昭和44年に廃校となり、中之条町の指定重要文化財となっています

「ツナガリノモリ」/加藤 哲

「ツナガリノモリ」/加藤 哲

画一的な形の連続
▲接着時の強弱によって微妙に生じるズレを修正していく作業が中心となったそう。気の遠くなる制作風景が浮かんできます

「時間を辿る」/鈴木 美緒

「時間を辿る」/鈴木 美緒

ボタン
▲一つ一つのボタンに刻まれた記憶。中之条町の方々のたくさんの時間が教室の中に溢れていました

「懐かしき油彩画」/菅沼 稔

「懐かしき油彩画」/菅沼 稔

▲古びた校舎に鮮やかな色彩が。油彩画とは絵画の内でもすぐれて明確な積層構造をもつものなんだそうです。幾多の時間の層を重ねてきたこの校舎もまた、一つの油彩画なのかもしれません

「農の精神と農具の魂」/ヒグマ春夫

「農の精神と農具の魂」/ヒグマ春夫

▲「現代の若いダンサーは農具と接して、どんな衣装でどんなダンスをするのか」
その答えが、農具の間に設置されたモニターに映し出されていました。

▼モニターを見ながら「農具」と書いてみよう的なコーナーがありました

モニターを見ながら「農具」と書く
▲モニターを見ながらだと逆の動きになってしまうので頭はパニック、そして少しイライラ。「農の精神」ではなく「脳と精神」がやられるそんな体験でした

「Fleeting world」/齊藤 寛之

「Fleeting world」/齊藤 寛之

▲校舎の横にも展示がありました

メダカもいました

庭を歩きながら失われた人や物事を想い出す。
この場所で何か見えない存在が生まれることを願って。

花の駅美野原

花の駅「美野原」
▲「花と湯の町なかのじょう」の象徴的施設「花の駅美野原」

季節の草花
▲季節の草花が楽しめる開放的な空間です、こんな素晴らしい場所があったなんて。何度も訪れている中之条ですが、この町には私の知らない魅力的な場所がまだまだたくさんありそうです

「懐かしき油彩画」/菅沼 稔

「懐かしき油彩画」/菅沼 稔

▲旧五反田小学校でも展示があった菅沼さんの作品が、花みどり館の中にもありました。鮮やかな花が沢山あるこの施設で見ると作品の印象がまたガラっと変わりますね

「relax」/ダルシャナ・プラサド

「relax」/ダルシャナ・プラサド

のんびり寝そべる
▲すごく天気も良かったし、開放的なこの場所で同じ格好になりたかったです

「Bird Cherry Tree」/ドルゴル・セルーオド

「Bird Cherry Tree」/ドルゴル・セルーオド

過去の作品に欠けていた何かを3次元の経験の中で表現したかったという作者

テントの中
 

大変長かったですが、伊参エリア終了です!

 

つづく