アートが好きでごめんなさい

芸術祭、美術館、旅行、ときどきお祭り。気づいたらいつもアートがそばにいた。

【中之条ビエンナーレ2017⑥】古くから湯治場として親しまれている温泉街「四万温泉エリア」


【中之条ビエンナーレ2017①】中之条町の玄関口「中之条伊勢町エリア」
【中之条ビエンナーレ2017②】新会場として追加された「名久田エリア」
【中之条ビエンナーレ2017③】「日本で最も美しい村連合」に加盟する「伊参エリア」
【中之条ビエンナーレ2017④】ゆったりとした時間が流れる自然豊かな「六合(くに)エリア」
【中之条ビエンナーレ2017⑤】中之条伊勢町と六合を繋ぐ中継地点「沢渡暮坂エリア」
【中之条ビエンナーレ2017⑥】古くから湯治場として親しまれている温泉街「四万温泉エリア」

目次

日向見公民館

日向見公民館
▲日向見公民館は、四万エリアで一際遠い場所にあります

「人生の問い」/カリン・ピサリコヴァ+マルティン・オンダラチェック

「人生の問い」/カリン・ピサリコヴァ+マルティン・オンダラチェック

▲公民館の中に四万の景色が再現されています。中央に積まれた座布団は、四万の山々が表現されているそうですよ。鑑賞者はここに来るまでに四万の様々な景色を見ることになります。あえて遠い場所に展示した理由がなんとなくわかったような気がします

四万マップ

ダンボールは四万のトンネルを表現▲四万のトンネルを表現したというダンボールは、小さな子供なら実際に潜ることができます。私は潜りませんでしたが、大人の方でも潜った方はいるようです。

注意書き

こどもはこはくなかたらはいてどうぞ
でもおとなはあんまりはいれないとおもうな

おしらせ こはれやすいからちゅい

地元の子供か作者の子供か、どちらが書いたものなのでしょうか。

中屋

四万ブルー
▲中屋のすぐ横には、四万川が流れています。四万特有の水の色は「四万ブルー」と言われているそうで、山の緑と青のコントラストがとても綺麗な川です。

中屋

「GAME "ON CEN" TER ドリィム四万」/新里 碧

「GAME "ON CEN" TER ドリィム四万」/新里 碧

▲元旅館である「中屋」。そこに泊まっているお客さんが見ている夢や、夢のなかの人の欲望がゲームになっているそうです。

射的ゲーム

射的は温泉街でもおなじみのゲームですね。それぞれのゲームは実際に遊ぶことができます。非日常的に感じるのは、四万特有のコバルトブルーが使われているからでしょうか

ボーリング
▲ボウリングゲームもあります

温泉ボール
▲こちらは、波紋にボールを当ててキャッチボールをするゲームだそうです

▼中屋2階

「Like Lake」/茅根 賢二

「Like Lake」/茅根 賢二

浮かび上がる四万の風景
▲外から差し込む光によって四万の風景が浮かび上がります。ダムのようなものが見えますね

「ネスト(第4の部屋)」/クリス・ブルー+ジュリー・ストッパー

「ネスト(第4の部屋)」/クリス・ブルー+ジュリー・ストッパー

トレーディングカード

既存の建築物から見つかったものや素材を用いて立体物を制作し、空間を再構成するというプロセスによって出来上がる。それぞれの作品がランプやテレビのモニターからの光を取り入れて隣の作品へと関連付けられているようです。

中屋2階窓際

▼中屋地下

「時間の曲線」/ドミニク・バロン -ボナルジー-

「時間の曲線」/ドミニク・バロン -ボナルジー-

「甦」
▲「甦」と書かれた石が置かれていました。周りの似顔絵は遺影なのでしょうか。どことなく「死」がテーマの作品のような気がしました

ぐるぐるステッチの座布団
▲こちらの豆電球は、命の灯火を表現してそうです

彼岸花
▲彼岸花も「死」をイメージさせますね

男湯
▲こちらは元男湯。モニターに映る喪服のようなものを着る女性、そして周りに置かれた白い花のオブジェ。この浴槽は棺を連想させます

女湯
▲こちらは元女湯。この流れでくると、これらの石は骨に見えなくもないですね

旧第三小学校

旧第三小学校
▲「旧第三小学校」は四万エリア最大の会場です。明治時代に建造された木造校舎で、平成17年3月まで使用されていたそうです。


▲旧第三小学校へは、右側の細い坂道を入っていきます。私は以前訪れたことがあるので迷わず行きましたが、初めての時は何度もこの前を通過してしまい辿り着けず「まさかあの道じゃないよな」と思いつつも、何度確認してもやはりこの道しかなく、勇気を出して入っていったのを思い出しました。この地点で躊躇する車は多いのではないでしょうか

「耳をすまして」/加藤 崇

「耳をすまして」/加藤 崇

▲沢渡暮坂エリアの旧沢田小学校でも作品を展示していた加藤さん。かつて学校で子供達が使用していたものが作品の題材となっています。写真の中で作者と一緒に写っているものはこの部屋にすべてあるのですが、意外と探すのが難しかったです

「関係性の操作」/ナディア・ソラーリ

「関係性の操作」/ナディア・ソラーリ

タヌキ
▲お菓子やタバコなどの商品と並べられた動物の剥製たち。剥製の近くには某ブランドの商品やスローガンが書かれた布が散乱していましたが、そこには連想的なつながりがあり、それらを視覚化した作品のようです。

「つながりあう世界」/嶋津 晴美

「つながりあう世界」/嶋津 晴美

私たちをとりまく世界は多種多様であり、それぞれの環境、知覚、時空などが関わっている。見えるものも見えないものも互いにどこかでつながりあいそこに在るのです。

見えないもの
▲この部屋にあるものは「土」「水」「太陽」を現しているのでしょうか。そしてその環境が花を咲かせる。

ゴールドの花
▲2つの異なる部屋に針金でできた花が展示されています。白い針金でできた花は薄暗い空間にあるので花がより目立ちますが、光が差し込むこちらの部屋の花はゴールドの針金でできているので一見その存在がわかりにくいです。作者の言う「見えるもの」と「見えないもの」は、ここでは「花」で表現されているのでしょうか

「Every body/Somebody」/佐藤 令奈

「Every body/Somebody」/佐藤 令奈

▲この作品は学校の裏山に展示されていて、体育館の中から鑑賞することができます。中之条伊勢町エリアの「竹の家」の作品と対になっています

▼1階タイ企画展

「生と死の間」/パドゥンサク・コチャソムロン

「生と死の間」/パドゥンサク・コチャソムロン

「追悼オブジェクトの崩壊」/キッサコーン・ブアターオ

「追悼オブジェクトの崩壊」/キッサコーン・ブアターオ

「熊の二つの心臓音」/アヌソーン・タンヤッパリト

「熊の二つの心臓音」/アヌソーン・タンヤッパリト

▲スピーカーの振動膜が心臓音のような音を出すと同時に鈴を揺らし鳴らしていました。その音は、熊よけ鈴を身につけた人の足音のようにも聞こえました。校内にいつまでも響く音はしつこく感じましたが、しばらく聞いていると心地よくなってきて癖になるような不思議な音でした

▼1階ブルガリア企画展

「昨日からのメモ」/ガリーナ・ヨトヴァ・ヴァシレヴァ

「昨日からのメモ」/ガリーナ・ヨトヴァ・ヴァシレヴァ

「Calyptra」/エリッサ・ガネヴァ・ゲオルギェヴァ

「Calyptra」/エリッサ・ガネヴァ・ゲオルギェヴァ

▼2階ポーランド企画展

「コマヤガ」/マチェイ・オスメツキ

「コマヤガ」/マチェイ・オスメツキ

「腐敗の裏側」/アンジェイ・ワシリエフスキ

「腐敗の裏側」/アンジェイ・ワシリエフスキ

▲1ヶ月の間、腐敗の過程をビデオに収めた映像作品

▼腐り始めるまでの時間や腐り方が果物によってそれぞれ異なっていて、普段なかなか見られない光景なので見ていて面白かったです

腐敗の過程

四万サロン

四万サロン

「忘れられた画家」/ユアサエボシ

「忘れられた画家」/ユアサエボシ

▲ユアサエボシ氏は名久田エリア、伊参エリアに続いて3回目の登場です。戦前に生まれていたもう一人の「私」を設定し、過去への介入を試みているそう。

1階の作品
作品の大半は1983年の自宅火災で焼けてしまい残った僅かな作品と制作ノートから現実の「私」が作品を再制作した。という設定

崩壊した壁

ここの建物、だいぶ傷んでいるようですが次回以降も会場として使われるのでしょうか。。

床が抜けた階段
▲非常に気を使うこの階段で2階へ上がります

美容室

1階はスナックのようでしたが、2階は美容室。ノスタルジックでいい雰囲気です

ヤングレディと週間明星
▲「ヤングレディ」「週間明星」などの古い雑誌が置いてありました

四万民家

四万民家

「水を引く」/永井 俊平

「水を引く」/永井 俊平

漂うものは器に移ろい、役を果たしてはまた漂う

床に空いた穴

四万ギャラリー

四万ギャラリー

四万ギャラリーの居間

明るい室内

内装はとてもお洒落で、別荘に来たような気分になります。

「Waver」/茅根 賢二

「Waver」/茅根 賢二

窓の外に流れる川
大きな窓からは山や川などの自然が感じられ日当たりもよく気持ちのよい場所でした

温泉口の家

温泉口の家

「人間は誰でも心の底にしいんと静かな湖を持つべきなのだ」/渡邉 ひろこ

「人間は誰でも心の底にしいんと静かな湖を持つべきなのだ」/渡邉 ひろこ

どこか懐かしさを感じる生地デザイン

スタンプラリーフルコンプリート!
▲ここでスタンプラリーをコンプリートしました。

地下へ
▲地下にも作品があるようです

「不思議なこと」/永井 文仁

「不思議なこと」/永井 文仁

太陽、光、重力、引力、水、大気、気圧、磁場、電磁波、電子、陽子、粒子、シュレーディンガーの猫、二本のスリット、VR、知識、知覚。

中之条ダム
▲中之条ダムが近かったので見に行ってみました。中之条ビエンナーレは何回か訪れていますが、この場所に来たのは初めてです

おまけ

「Here」/山田 悠

「Here」/山田 悠

初日に見た名久田エリアの山田さんの作品。初日は天気が悪く日時計として機能していませんでしたが、最終日全部の作品が見終わったあと行ってみました

15時26分
▲撮影時刻は15時26分、しっかり日時計として機能していました。本当の意味で私にとっての中之条ビエンナーレの最後の作品。なんか最後にふさわしい作品だなーと思いました。リベンジできてよかったです。

さいごに

私にとって第二の故郷のような、自然豊かな中之条町。
今回も、山が、川が、作品が、心を癒やしてくれました

1998年頃から町営の温泉施設でアーティストが制作しながら暮らすことを始め、2007年に中之条ビエンナーレとして国内外のアーティストが滞在制作をして作品発表をする舞台となった中之条ビエンナーレ。

6回目の開催となった今回は、海外芸術交流プロジェクトで繋がりを深めた国々の企画展が開催され、国際的な文化交流の輪も広がりつつあります。

個人的には3回目ですが、1回目よりも2回目、2回目よりも3回目と、訪れるたびにその魅力が増す芸術祭。今後も、まだまだ知らない素晴らしい場所が会場として追加されることでしょう。

 

また帰ってきます!

 

最後までお読み頂き、ありがとうございました!